作品紹介
INTRODUCTION
東日本大震災から15年―喪失の先にある再生の物語
前作『陽が落ちる』で武士の妻、夫婦の覚悟に焦点を当てた重厚な人間ドラマを描き、高い評価を得た柿崎ゆうじ監督が、新たに挑むのは“喪失”と“再生”の物語。
『陽が落ちる』でも忘れがたい存在感を残した前川泰之が、津波で妻と幼い娘を失いながら任務に立ち続ける自衛隊員・春日三尉を、静かな力を秘めた演技で息づかせる。舞台は東日本大震災の被災地。避難所支援に従事する春日は、深い痛みを抱えながらも、人々と正面から向き合う日々を過ごしていた。そんな中で出会うのが、両親を亡くし心を閉ざした少年・吉村和樹。立場も年齢も違う二人だが、失ったものの大きさは同じだった。静かな日常の積み重ねのなかで、春日は少年に、少年は春日に、寄り添いあうようにして再び“生きる力”を取り戻していく。 本作は、陸上自衛隊の全面的な協力のもと、震災当時の現場に限りなく近い緊張感と空気感を映像に刻み込むことに成功した。過酷な現実の只中にあっても、確かに存在する希望を描き出す、人間の再生をめぐるヒューマンドラマである。
あらすじ
STORY
震災の被災地に派遣された自衛隊員の春日三尉。
自身も津波で妻と幼い娘を亡くしていたが、春日はそれを隠して任務に身を捧げていた。
そんな彼が避難所で出会ったのは、同じく家族を喪い、心を閉ざした少年・吉村和樹だった。
やがて和樹は、自衛隊の活動を静かに見つめながら、自ら人々を助ける行動を始める。
絶望の底で出会った二人が、希望を信じて歩き出す−。
喪失を越えて生まれる“再生”の物語。
キャスト
CAST
前川泰之まえかわやすゆき
東京都出身。モデルとして活動後、映画・テレビドラマを中心に俳優としてのキャリアを重ねる。映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』『Fukushima 50』『陽が落ちる』などに出演し、現代劇から社会性の強い作品まで様々な役柄で参加。テレビドラマでは「仮面ライダー ビルド」「相棒」、大河ドラマなど、幅広く多くの作品で確かな存在感を示してきた。寡黙な役柄から感情の振れ幅が求められる人物まで柔軟に演じ、作品ごとに異なる表情を見せている。
竹島由夏たけしま ゆか
東京都出身。女優として映画やドラマで幅広く活躍。柿崎ゆうじ監督作品への出演が多く、近年では『ウスケボーイズ』『陽が落ちる』などに出演。確かな演技力と存在感で作品に深みを与える。
スタッフ
STAFF
監督
柿崎ゆうじかきざき ゆうじ
山形県出身。舞台、映画、テレビ番組など、ジャンルを超えて数多くのプロデュース・演出を手掛ける。 映画監督としての代表作に『ウスケボーイズ』(2018年)、『陽が落ちる』(2025年)などがあり、数多くの国際映画祭で最優秀作品賞や最優秀監督賞を受賞。その繊細かつ力強い演出は、高い評価を確立している。 舞台作品では、知覧の特攻隊員と食堂の女将・鳥濱トメの交流を描いた『帰って来た蛍』シリーズを手掛け、現在も定期的に上演している。 長年にわたる芸術文化への多大な功績により、東久邇宮文化褒賞を受章。